愛媛ぶどうの土壌と気候
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愛媛ぶどうの気候適応性
ブドウは世界中で広く栽培されており、北半球では北緯20度から50度、南半球では南緯20度から40度の間に主要産地が存在します。これらの産地は、平均気温が10℃から20℃程度の範囲にあります。
降水量は品種によって差がありますが、欧州ぶどうは一般に乾燥を好み、米国ぶどうは湿潤にも強いのですが、種全体として見れば年間降水量が500mmから1600mmあたりまでに主要産地が存在します。
主要さん(北半球) では厳寒期の平均最低気温の上限は7〜8℃、下限はマイナス8〜マイナス9℃の間になります。寒い地方は極低温はマイナス20度前後になりますが 、雪下や地中に枝を埋めることで凍害を避けています。
一方、平均最低気温が7〜8度℃という温暖な地方でも栽培されています。しかし、冬の気温が下がらない地域では、シアナミド剤等の休眠打破剤を使用しない自然状態では自発休眠の打破が難しく、発芽や花穂着生が不安定になり安定生産はあまり期待できません。
以上のように世界の大産地の気象を解析すると、ぶどうでは冬の寒さが安定栽培の制限要素にはならず、成熟を左右する夏の冷涼さが経済栽培の北限を決めている、といえます。
土壌がどれだけ適応できるか
ブドウの原産地は砂漠などの乾燥地帯であり、現在の世界の主産地の気候から見ても乾燥に対する抵抗性はきわめて強いといえます。
また、土壌の乾燥に伴って土壌中の塩類濃度は高まる傾向にありますが耐塩性についてもブドウは、他の果樹類よりも著しく強いことが知られています。
耐乾性も強い一方で、他の果樹に比べ耐水性もかなり強いこともブドウの特徴です。
たとえば、ももやさくらんぼでは梅雨長雨などで地下水位が上昇したり 局所的に雨水が溜まって、根が水に浸かった状態に置かれると根は容易に死滅し給水と蒸散のバランスが崩れ干害を受けやすいのですが、ブドウでは長く湛水状態にあっても根は死なずに生きています。 これは、光合成で生じた酸素を何らかの形で根に送り、呼吸を助けているのだろうと考えられています。
以上のように、ぶどうは土壌の乾燥過にも耐え、土壌への適応性はとても大きいといえます。
ぶどうの選び方
ぶどうはブドウ科ブドウ属のつる性植物です。ぶどう属の分類には様々な意見や報告があり、また、近年、遺伝子解析などの新手法が次々に開発され 、新たな知見が得られる可能性もあると思いますが、現在、先にも述べたとおり、生食用、または醸造用(世界の総生産の80%を占める)として栽培されているブドウは以下のとおりに分けられます。